2009年10月08日

ゲート、およびゲート数とは?

「ゲート」(謎電の作者的には「ゲイト」と書きたいが、この際ゲートとする)あるいは「ゲート数」という言葉は昔良く使われたが、最近では使わなくなったのだろうか。使わなくなってその言葉の意味が深く正しく理解されなくなったのかも知れない。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1122246136
http://piza.2ch.net/log2/kikai/kako/959/959620757.html

議論が核心を衝いてないように感じる。計算機屋の世界で「ゲート(数)」と言えば(計算複雑性理論の世界で言えば)回路計算量の「最小単位」と言うことが出来る。

このことを何の予備知識もない者に、的確明瞭簡潔に説明のは難しい。簡単に言えば、

論理回路を有向非環状グラフとして見た時、
ゲートとは、そのノードそのものを指す(つまりはノードの別称)。
ゲート数とは、そのグラフ内にあるノードの総数を言う。

となる。ゲートとゲート数の定義を書けばそうなるのだが、そもそも「有向非環状グラフ」なんて言葉はグラフ理論を少々でも齧ってなければ何を意味しているのか判らないだろう。

デジタル回路規模を示すのに「トランジスタ数」を単位として用いることも良くある。ここでいうトランジスタがCMOSFETである場合、1つのゲートを作るのに(NOT回路なら)P-ch MOSFET と N-ch MOSFET をペアで使うことになるので、ゲート数×2=トランジスタ数となる。あらゆるゲートが必ずトランジスタ2つで作られているわけではないので厳密には完全なイコールではないのだが、2個のトランジスタが1ゲートと換算しても、大規模な回路では大抵の場合さしつかえがない。

なお「2入力NAND換算ゲート数」と明確に書かれていることがある。ゲートアレイ設計者にとっては「2入力NAND換算ゲート数」の方が経験的感覚的に回路規模を把握し易いからだ。また「ユーザブルゲート数」と書かれてある場合も「2入力NAND換算ゲート数」と同義で使われることが殆どだ。これらは前述の(本来の)「ゲート数」とは少々意味が異なるので注意して欲しい。

【参考】
http://www.necel.com/faq/ja/f_semi.html
>Q-3集積度を表すトランジスタ数とゲート数はどうちがうのですか。
>A-3トランジスタ数というのは、内蔵しているバイポーラ・トランジスタやMOSトランジスタ(FET)の総数です。これに対してゲート数というのは、MOSゲート構造の数です(個々のFETのゲート端子数のことではない)。CMOSデバイスでは、基本的に2つのMOSトランジスタ(NMOSとPMOS)でゲートを構成するので、ゲート数はトランジスタ数の1/2です。ただし、オープン・ドレーン出力では、1トランジスタ(NMOSだけ)でゲート構造になるので、その分だけ違いが生じることになります。
ゲート・アレイなどの「ユーザブル・ゲート数」というのは、ユーザ回路のロジック・ゲートとして使用できる、このCMOS構造の数を意味します。
posted by Masa at 16:44| Comment(0) | ブログ | 更新情報をチェックする
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