2009年11月20日

Analog Devices AD7843 (Touch Screen Digitizer)

コレもドータボードで使われている部品、タッチパネルI/Fである。が、ここではその制御方法ではなく、ICの使い方について書こうと思う。先ずはデータシートを↓に貼っておく。

・Analog Devices AD7843
 http://www.analog.com/static/imported-files/data_sheets/AD7843.pdf

また参考までに、デジタイザの原理や制御時の留意点が書かれてあるドキュメントも貼っておく。

・The PDA Challenge - Met by the AD7873 Resistive-Touch-Screen Controller ADC
 http://www.analog.com/library/analogDialogue/archives/35-04/touchscreen/touchscreen.pdf

で、ドータボードでのスケマは↓の様になっているのだが、アナログ5級の実力があれば、何かおかしいと気付くところがあるのではないかと思う。

TouchPanelSchema.PNG

U7(ADR525)はシャント型の基準電圧源であることは一目で判る。コレは2.5[V]品だが、そこに33[Ω]のR57を介して+3.3[V]の電源と繋がっている。つまりは、(3.3-2.5)[V]/33[Ω]=約24[mA]の電流を消費することになり、単に基準電圧を得たいという目的だけでそれだけの電流を使うというのはシャレになっていない。

このテの回路では大抵の場合(電源電圧にも因るが)小さくても1[kΩ]位という謎電の作者の常識が全く通用しない。最初このスケマを見て何かの間違いだろうと思い、実装されているR57の抵抗値を測った。そして間違いなく33[Ω]であることを確認した瞬間、私は後頭部を台湾バナナで殴られたような衝撃を感じた。一体どーゆー計算を行えば33[Ω]なんて定数が出てくるのか。それについては全く不明だが、取り合えずADR525のデータシートを↓に貼る。

・Shunt Mode Voltage References ADR525
 http://www.analog.com/static/imported-files/data_sheets/ADR520_525_530_540_550.pdf

データシートの冒頭で書かれてあるが、Operating current rangeが50[μA]〜15[mA]となっている。このことから24[mA]も流すというのは無駄且つ不適当だと判る。AD7843のVREF側で消費される電流も高々知れているので、消費電流を極力減らしたいのであれば、R57は10[kΩ]あたりにした方が妥当だと思える。が、問題はそれだけでは無かった(汗)

そもそも、この回路(デジタイザの機能を使いたいだけの理由)で基準電圧源が必要なのか? 根源的な疑問が沸き上った。結論から書くと「不要」である。AD7843はタッチパネル用で2チャネル、それ以外の目的で2チャネル(ピン名でIN3、IN4)のマルチプレクサ(ADCへの入力切替)が用意されているのだが、スケマを見れば判る通りIN3とIN4はGNDに落として殺してある。これらのピンは、例えば電池電圧等を測るといった目的の為に用意されており、そういう場合の為に基準となる電圧源を繋ぐVREFを持っているのであって、単にデジタイザとして使いたいだけなら基準電圧源は要らないのだ(実際に私はVREFを参照せずに動かして問題が起きないことを確認した)。

恐らく何か別の実績ある回路例を参考にしてこういう回路設計になったと思うのだが(だとしてもR57が33[Ω]というのは解せないが)、他人の作った回路を、それが製品であっても鵜呑みにせず、回路図を見たら各定数の根拠を、そして周辺部品の存在意義を考えてみるクセを身につけて欲しいと思う。
posted by Masa at 10:48| Comment(0) | ブログ | 更新情報をチェックする
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