2010年02月17日

小沢一郎起訴以前電子工作基礎以前 (5)

秋月HPがリニューアルする前、「LEDの抵抗計算機」があった。電子工作8級の力があれば、まず使うことはないと思うものの、恐らく電流制限に使う抵抗の抵抗値に関する質問が多く、購入者の便宜を図る為に用意されていたのだろう。が、今はない。代わりに「よくある質問」が次の様になっていた。

・[質問] LEDの抵抗値は何オームにしたらよいですか?
 http://akizukidenshi.com/catalog/contents2/faq3.aspx#q42

>[回答]
>低ければ電流が多く流れ明るくなりますし、大きければ電流が流れず暗くなります。LEDそれぞれでスペックが異なりますので、最適値が変わってきます。また人によっては明るすぎる/暗すぎるといったことや、電源や電池の電圧変動などを考慮しなければならないこともあります。
>当社は設計会社ではございませんので何オームの抵抗が最適値かといったようなご案内は行っておりません。


何と言えば良いのだろうか。質問自体が、喩えるならコンビニで食材を買ってレジやってる店員に「どう調理すれば良いか」を尋ねるようなもので尋ねられた方も困るかも知れない。「LEDの抵抗計算機」はその為に用意されていたのだと思うのだが、結局はケースバイケース、状況に因っては役に立たないとは思っていたが。

で、LEDのデータシートには典型回路例はおろかVFの記述がエエカゲンだったりするのが普通なので、全くの初心者が豆電球と同じ扱いをしてブッ壊すこともあるだろうし、あるいは極性を逆に接続して点灯せず不良品だと思ってしまう者もいるだろう。しかしながら、そういう経験を積んで失敗から何かを掴んでいくのが電子工作の醍醐味と言えるのだが。

それはさておき、今回から「式を立てて解を得るシリーズ」を始めようと思う。と言っても中学数学レベルの話しかしないつもりので安心して欲しい。先ず問題図を↓に示す。

SimbleCircuit.PNG

1.5[V]の電池と100[Ω]の抵抗器で構成されているだけだが、これでも立派な回路である。熱に全く影響されない電池と抵抗器が使われているものと仮定して、

a) 抵抗器Rに流れている電流量を求めよ。
b) 抵抗器Rの損失電力を求めよ。
c) 抵抗器Rの部品温度を求めよ。但し、環境温度は25[℃]、Rの熱抵抗は200[℃/W]とする。

と設問がある時、

a) 電圧=抵抗×電流の関係が判っていれば解ける
b) 電力=電圧×電流の関係が判っていれば解ける
c) 部品温度=熱抵抗×電力+環境温度の関係が判っていれば解ける

ことになり、答は次の様になる。

a) 15[mA]
b) 22.5[mW]
c) 29.5[℃]

以上は、理科的な知識が少々必要だが内容が算数レベルなので電子工作7級前後の実力があれば小学生でも全問解ける。

さて、ここでちょっと条件を加えて抵抗Rがカーボン抵抗で、環境温度が25[℃]の時は100[Ω]だが、マイナス1,000[ppm/℃]の温度係数を持っていたとしよう。仮に部品温度が26[℃]ならRの抵抗値は99.9[Ω]に下がるという意味だ。

つまりは、抵抗器の部品温度が上がる→抵抗値が下がるので電流がより多く流れる→更に部品温度が上がる→ますます電流量が増える、と繰り返すが何れ安定する。そのような条件を加えた場合はどうか。なお、答は有効5桁まで求めるものとしよう。

抵抗器Rに流れている電流量をx[A]とすれば、1.5x[W]の損失が起きるので、これに熱抵抗を掛けて300x[℃]の発熱が起きることが判る。更に温度係数と抵抗値を掛ければ-30x[Ω]抵抗値が変化することが判るので、

 x[A]= 1.5[V]/(100-30x)[Ω]

という式が成立することになり、この両辺に(100-30x)を掛けて式を整えれば、

 -30x2+100x-1.5=0

と二次方程式になる。これは義務教育である中学数学レベルで解けるわけで、この解き方を説明することは本ブログの熱心な訪問者(ただし、足し算も怪しい男を除く)を愚弄することになるので二次方程式の解の公式も、その導出手順も省く。

ここで注意しなければならないのは解が2つ存在してしまうことだ。が、一方の値は「抵抗器Rが負の抵抗値になるほど発熱させる電流量」という奇怪な解なので無視すれば答は自ずと、

a) (-100 + sqrt(100^2 - 4 * -30 * -1.5)) / (-30 * 2) = 0.015068114...[A]
 ∴15.068[mA]

となり、それに電池電圧を掛ければ、

b) 22.602[mW]

と消費電力を求めること出来、そこに熱抵抗を掛けて環境温度を加えれば、

c) 29.520[℃]

と部品温度を求めることが出来る。以上、本ブログの優秀な訪問者の方々にとっては簡単過ぎたかも知れない。ので、次回はもっと問題を捻ろうと思う。

【追記】
答が合っているかどうか気になった(汗)ので、Excelを使ったシミュレイションによる検算結果を↓に貼っておく。結論として6回程度で解が安定した。

SimpleCircuitSim.PNG

posted by Masa at 16:32| Comment(0) | ブログ | 更新情報をチェックする
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